〈この記事はこんな方におすすめ〉
・マーケティングの仕事へ転職を検討している方
・マーケティングでどの程度数学を求められるか知りたい方
・実際にマーケティングの仕事に携わっている人の話を聞きたい方
〈内容の要約〉
・マーケティングで必要なのは「数学的思考力」
・統計学的素養も求められるが後からでも身に付けられる
・苦手な人でもできるマーケティングの仕事はある
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Contents
マーケティングで数学は必要?
マーケティングの仕事に興味がある方にとって、数学がどの程度必要とされるかを知りたい方がいらっしゃるかと思います。今回はそのような方のために現役マーケターの視点で実際に使う計算などを使いながらわかりやすくお教えします。私はデジタルマーケティング(Webマーケティング)の領域で主に仕事をしているため、その観点からお伝えできればと思います。
マーケティングで必要なのは「数学」よりも「数学的思考力」
まず結論からお伝えすると、マーケティングの世界において必要なものは「数学的思考力」であって、必ずしも「数学」は必要ないです。そして、数学よりは「算数」の方が大事かもしれません。数学もあくまでもツールのひとつであって、得意な方ができることは多いのは事実ですが、それを駆使して仕事をしている人は実際に周りを見ていても割合としては少ない印象です。この辺りは仕事内容によってだいぶ異なりますね。例えばWebマーケティングの領域でサイトのアクセス解析の仕事をおこなう場合は日々数字とにらめっこすることになるので数学的なアプローチが必要なことがあります。会員データを使って分析をする場合も同様です。一方で、チラシや広告のキャッチコピーや記事のライティングを考えたり、事業の業務設計などをおこなう場合は数学はほとんど使いません。こちらの場合はそれよりも人の心について考えたり全体の流れを掴む力の方が要求されます。
「数学」よりも「数学的思考力」を養うことが大事
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マーケティングで実際に使う計算の例
では、実際に使う計算を例として示してみましょう。下記のような計算を使うことでほとんどの問題には対処することができます。
(例)企業向けにサービスを提供する会社Xにおいて、資料請求(リード)を獲得すべく、1ヶ月に広告費を1,000万円使ったところ、広告経由でサイトに2万人のアクセスがあり、500件の資料請求を獲得することができた。このうち、150件が当月内の契約に至った。
広告費 | 10,000,000円 |
サイト流入数 | 20,000人 |
資料請求数 | 500件 |
契約数 | 150件 |
流入あたりにかかった費用 | 500円 |
資料請求獲得率 | 2.50% |
契約率 | 30.0% |
資料請求獲得単価 | 20,000円 |
ここで用いているのは数学ではなく「算数」です。例えば資料請求獲得率は「資料請求数÷サイト流入数」で算出しています。このように「何を何で割れば良いか(何と何を掛ければ良いか)」がわかればある程度は対処できます。微分や積分を使って数字を算出することは一部の人たちにできる技なので、そこまでは求められないと考えていただいて構いません。四則演算ができて、割合を考えるのが苦手でなければマーケティングの仕事で困ることはそれほどないでしょう。
マーケティングで求められる「統計学的素養」
では次にこの問題を考えてみましょう。
(例)先ほどの例題で用いた会社Xにおいて、資料請求の獲得を増やすためにサイトのデザインを変更することを検討していた。AとBの2パターンを作ってみて、どちらが効果が良いかを検証するために実際にそれらを使って3日間テストをしてみたところ下記のような結果になった。
項目 | A | B |
広告費 | 300,000円 | 300,000円 |
サイト流入数 | 600人 | 600人 |
資料請求数 | 15件 | 13件 |
資料請求獲得率 | 2.50% | 2.17% |
この結果が出た時に、「Aの方が資料請求獲得率が高いからAにしよう」となるでしょうか?よく見てみると、資料請求数の差は2件しかなく、その中で判断しようとしています。これは本当に「差」なのでしょうか?
この差が本当だとした場合、「有意差がある」と表現します。意味のある差分ということです。そしてそれが本当に差があるかどうかを調べるのが「統計学」なのですが、この統計学的素養がマーケティングの世界では求められます。
- 両者のデータに偏りはないか?(比較対象として適切か?)
- 極端なデータがないか?(外れ値はないか?)
- 全体の数値と実際の分布はどうなっているか?(均等に分布しているか?)
- たまたまこの結果になったということはないか?(母数は十分にあるか?)
など、全体を見渡しつつも細部に対して意識を向けることで自身がおこなう施策の妥当性を判断しやすくなりますし、また事実をより正しく捉えることができるようになります。これも数学ではありません。一歩立ち止まって考えるクセを付けることで、誰でもある程度身に付けることができます。
数学はもちろん算数さえも苦手な人はどうしたらいい?
数学だけでなく算数自体がそもそも苦手という方も中にはいらっしゃるかと思います。そのような方の場合は、職種が多少制限を受けますが別の仕事をすることが可能です。マーケティングといっても幅広いので、ユーザーとコミュニケーションをするような仕事をするのが向いているでしょう。例えば企業用SNSアカウントの運用であったり、キャンペーンの企画をしたり等ですね。感性や共感力が優れていればそれはひとつの武器になりますので、マーケティングに興味があればぜひチャレンジしていただきたいと思います。
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数学的思考力を養うおすすめ書籍
数学的思考力はないよりはあった方が絶対に良いので、苦手な人もそうでない人も本をいくつか読んでみることをおすすめします。数学的思考力を身に付けることで物事を論理的に捉えることができるようになりますし、マーケティングだけでなく他のことにも応用が利くのでぜひ試してみてください。
まとめ
私はどちらかというと文系の人間ですが、完全未経験からマーケターになり、その後事業責任者になれているので、数学が苦手だけどどうしようかな…と悩んでいる人でもまずは一歩踏み出してみることをおすすめします。女性の方が多い印象ですが、SNSアカウントの運用ができるとそれだけで仕事がひとつ生まれるので、そういうアプローチも良いと思いますね。何かあればお気軽にご相談ください。
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